問題 1: COPD治療薬の選択
65歳男性、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断され、呼吸困難の症状が進行中。喫煙歴40年。第一選択となる吸入薬はどれですか?
1β2刺激薬(SABA)の単独吸入
2長時間作用性β2刺激薬(LABA)と吸入ステロイド(ICS)の併用
3長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の単独吸入
4経口ステロイドの単独投与
正解: 3. 長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の単独吸入
解説:
COPDの治療では、軽症から中等症の患者にはLAMA(例:チオトロピウム)が第一選択として推奨されます。ICSとLABAの併用は重症患者や増悪の頻度が高い場合に考慮されます。SABAは発作時の救急薬として使用されることが多く、経口ステロイドの単独使用は推奨されません。
問題 2: 腎毒性を持つ薬剤の選択
72歳男性、腎機能低下(eGFR 35 mL/min/1.73m2)が認められています。この患者に禁忌または慎重投与が必要な薬剤はどれですか?
1アセトアミノフェン
2ジゴキシン
3ナプロキセン
4ワルファリン
正解: 3. ナプロキセン
解説:
NSAIDs(例:ナプロキセン)は腎血流を減少させ、腎機能をさらに悪化させる可能性があるため、腎機能低下の患者には禁忌または慎重投与が必要です。アセトアミノフェンは安全性が高く、腎機能に依存しません。ジゴキシンは腎排泄型ですが、用量調整により使用可能です。ワルファリンも腎機能に影響されません。
問題 3: アドヒアランス向上のための指導
80歳女性、糖尿病治療薬と降圧薬を含む7種類の薬剤を服用中。しかし、飲み忘れが多いと家族が相談に来ました。薬剤師として最も適切な対応はどれですか?
1全ての薬剤を中止するよう提案する
2一包化や服薬カレンダーを提案する
3薬剤の効果を強調し、厳格に指導する
4医師に治療の見直しを提案せず経過観察する
正解: 2. 一包化や服薬カレンダーを提案する
解説:
高齢患者における飲み忘れ対策として、一包化(複数の薬を1回分まとめて包装)や服薬カレンダーの使用が有効です。また、患者の生活習慣や服薬状況を確認し、可能であれば処方内容の簡略化を医師に相談することも重要です。厳格な指導のみでは患者の負担が増える可能性があります。
問題 4: 妊婦における薬物治療
35歳の妊婦が尿路感染症と診断されました。以下の抗菌薬の中で、妊娠中に安全性が最も高いとされる薬剤はどれですか?
1ニトロフラントイン
2シプロフロキサシン
3アミノグリコシド系抗菌薬
4セファレキシン
正解: 4. セファレキシン
解説:
セファレキシン(第一世代セファロスポリン系抗菌薬)は、妊娠中の尿路感染症治療において一般的に安全性が高いとされています。ニトロフラントインは妊娠後期には慎重投与が推奨されます。シプロフロキサシン(ニューキノロン系)は胎児の軟骨発育に影響を与える可能性があるため、妊娠中には禁忌です。
問題 5: メトホルミンの副作用
58歳男性、2型糖尿病でメトホルミンを処方されています。最近、倦怠感と呼吸困難を訴え受診しました。この症状の原因として考えられるメトホルミンの重篤な副作用はどれですか?
1腎不全
2肝機能障害
3乳酸アシドーシス
4高血糖性昏睡
正解: 3. 乳酸アシドーシス
解説:
メトホルミンは乳酸アシドーシスという稀ではあるが重篤な副作用を引き起こす可能性があります。この副作用は腎機能低下時や脱水状態でリスクが高まります。患者の症状(倦怠感、呼吸困難)は乳酸アシドーシスの典型的な徴候であり、緊急対応が必要です。
問題 6: 薬物アレルギー
62歳男性、ペニシリン系抗菌薬にアレルギー歴があります。この患者の感染症治療において、安全性を考慮して使用すべき抗菌薬はどれですか?
1アモキシシリン
2セフトリアキソン(第3世代セファロスポリン)
3クリンダマイシン
4アンピシリン
正解: 3. クリンダマイシン
解説:
ペニシリン系抗菌薬にアレルギーがある患者では、構造が異なる薬剤(例:クリンダマイシン)が選択肢となります。セファロスポリン系(セフトリアキソン)は交差アレルギーの可能性があるため慎重に使用すべきです。アモキシシリンやアンピシリンはペニシリン系であり、禁忌です。
問題 7: 抗ヒスタミン薬の選択
30歳女性、季節性アレルギー性鼻炎で眠気が強い副作用を訴えています。次に選択すべき抗ヒスタミン薬として適切なのはどれですか?
1ジフェンヒドラミン
2クロルフェニラミン
3フェキソフェナジン
4ヒドロキシジン
正解: 3. フェキソフェナジン
解説:
フェキソフェナジンは第2世代抗ヒスタミン薬であり、中枢神経系への移行が少ないため、眠気の副作用が少ない特徴があります。ジフェンヒドラミンやクロルフェニラミンは第1世代であり、眠気を引き起こしやすい薬剤です。ヒドロキシジンも鎮静作用が強いため不適切です。
問題 8: NSAIDsの選択
60歳男性、変形性膝関節症で慢性的な痛みを訴えています。一方で胃潰瘍の既往があります。この場合に最も適切な治療薬はどれですか?
1イブプロフェン単独
2ロキソプロフェン単独
3セレコキシブ
4ステロイド系抗炎症薬
正解: 3. セレコキシブ
解説:
セレコキシブはCOX-2選択的阻害薬であり、胃腸障害のリスクが低い特徴があります。胃潰瘍の既往がある患者にはCOX-1阻害作用を持つNSAIDs(例:イブプロフェン、ロキソプロフェン)の使用は避けるべきです。ステロイド系抗炎症薬は変形性膝関節症の慢性管理には一般的ではありません。
問題 9: フィードバック・ループの影響
50歳男性、高血圧治療のためにACE阻害薬を服用中です。この患者に見られる可能性のある副作用として適切なのはどれですか?
1低カリウム血症
2高カリウム血症
3低ナトリウム血症
4高カルシウム血症
正解: 2. 高カリウム血症
解説:
ACE阻害薬はアンジオテンシンIIの生成を阻害し、アルドステロン分泌を低下させます。その結果、腎臓でのナトリウム排泄とカリウム再吸収が増加し、高カリウム血症を引き起こすことがあります。他の選択肢はACE阻害薬の一般的な副作用ではありません。
問題 10: 経口抗糖尿病薬の併用
58歳女性、HbA1cが8.5%と高値で、メトホルミンを服用中ですが血糖値がコントロールされていません。この場合に追加する薬剤として最も適切なのはどれですか?
1SU剤(スルホニル尿素薬)
2SGLT2阻害薬
3α-グルコシダーゼ阻害薬
4インスリン製剤
正解: 2. SGLT2阻害薬
解説:
SGLT2阻害薬は尿中への糖排泄を促進し、体重減少や心血管リスクの低下などの追加効果があります。HbA1cが高値の患者には、メトホルミンにSGLT2阻害薬を追加することで良好な血糖コントロールが期待できます。SU剤は低血糖のリスクが高く、インスリン製剤は非インスリン療法で十分な効果が得られない場合に考慮されます。