問題 1: 抗菌薬の適正使用

50歳男性、肺炎で入院。以下の抗菌薬が候補として挙げられています。この患者において、メロペネムを使用する適応として最も適切なのはどれですか?
1.典型的肺炎で感受性が確認されている細菌感染
2.市中肺炎でペニシリン系抗菌薬が第一選択
3.耐性菌が疑われる院内感染性肺炎
4.ウイルス性肺炎

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正解: 3. 耐性菌が疑われる院内感染性肺炎
解説:
メロペネムはカルバペネム系抗菌薬であり、多剤耐性菌(ESBL産生菌や一部の院内感染起因菌)に対して有効です。市中肺炎にはペニシリン系やマクロライド系抗菌薬が第一選択となることが多く、ウイルス性肺炎には抗菌薬は適応外です。適正使用が重要で、耐性菌が疑われる場合に限り使用します。
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問題 2: 糖尿病治療薬

65歳女性、2型糖尿病。腎機能が低下しており、推算糸球体濾過量(eGFR)は25 mL/min/1.73m2。この患者に推奨される糖尿病治療薬として最適な選択肢はどれですか?
1.メトホルミン
2.SGLT2阻害薬
3.インスリン製剤
4.DPP-4阻害薬

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正解: 3. インスリン製剤
解説:
腎機能低下(eGFR <30 mL/min/1.73m2)の患者では、メトホルミンは乳酸アシドーシスのリスクが高まるため禁忌です。SGLT2阻害薬は腎機能がさらに低下した患者では効果が限定的となり使用できない場合があります。DPP-4阻害薬の一部は調整が必要ですが、インスリン製剤は腎機能に依存せず安全に使用できます。
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問題 3: 副作用のモニタリング

55歳男性、統合失調症でオランザピン(非定型抗精神病薬)を服用中。副作用のモニタリングとして最も適切な項目はどれですか?
1.甲状腺機能検査
2.血糖値と体重
3.クレアチニン値
4.血液凝固能

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正解: 2. 血糖値と体重
解説:
オランザピンは非定型抗精神病薬の一つで、体重増加や糖代謝異常を引き起こす可能性があります。そのため、血糖値や体重のモニタリングが重要です。甲状腺機能検査やクレアチニン値は特定の薬剤で必要になることがありますが、オランザピンでは最優先ではありません。
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問題 4: 小児用量の計算

12歳の小児(体重30 kg)にセフトリアキソン(1回50 mg/kg)を1日2回静注する指示が出ました。この小児に対する1回の投与量として正しいのはどれですか?
1.300 mg
2.750 mg
3.1,000 mg
4.1,500 mg

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正解: 2. 750 mg
解説:
セフトリアキソンの1回量は体重(kg)に基づいて計算します。この患者の場合、50 mg/kg × 30 kg = 1,500 mg/日。1日2回投与するため、1回量は1,500 mg ÷ 2 = 750 mgとなります。正確な用量計算は小児患者において特に重要です。
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問題 5: 薬物相互作用

73歳男性、高血圧と痛風の既往あり。カルシウム拮抗薬(アムロジピン)とアロプリノールを併用中。この患者における薬物相互作用として最も考えられるのはどれですか?
1.アムロジピンの血中濃度上昇
2.アロプリノールによる腎機能障害のリスク増加
3.高カリウム血症のリスク増加
4.アロプリノールの効果減弱

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正解: 2. アロプリノールによる腎機能障害のリスク増加
解説:
アロプリノールは腎機能低下時に蓄積しやすく、重篤な副作用(スティーブンス・ジョンソン症候群や腎障害)のリスクが増加します。カルシウム拮抗薬はこのプロセスに直接的な影響を及ぼさないものの、全体的な腎リスクを注意深く評価する必要があります。

 

 

 

問題 6: 高齢者とポリファーマシー

80歳女性、慢性心不全、高血圧、糖尿病で複数の薬剤を服用中。最近、ふらつきと食欲不振が出現しました。ポリファーマシーの問題として最も適切な対応はどれですか?
1.全ての薬剤を一度に中止する
2.副作用の可能性がある薬剤を特定し、減薬を検討する
3.症状に応じて新たな薬剤を追加する
4.現在の治療を継続し、経過観察する

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正解: 2. 副作用の可能性がある薬剤を特定し、減薬を検討する
解説:
ポリファーマシー(多剤併用)は高齢者において副作用や薬物相互作用のリスクを高める可能性があります。ふらつきや食欲不振は薬剤の副作用が原因である可能性があるため、症状に関連する薬剤を特定し、減薬または調整を行うことが重要です。一度に全ての薬剤を中止することや新たな薬剤の追加は適切ではありません。
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問題 7: 抗凝固療法

65歳男性、非弁膜症性心房細動(NVAF)と診断され、DOAC(直接経口抗凝固薬)で治療中。腎機能が低下し、eGFRが40 mL/minとなっています。この場合、どの対応が適切ですか?
1.DOACの用量を変更せず継続する
2.DOACの用量を腎機能に応じて調整する
3.DOACを中止し、ワルファリンに切り替える
4.抗凝固療法を中止する

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正解: 2. DOACの用量を腎機能に応じて調整する
解説:
DOACの一部(例:ダビガトラン、リバーロキサバン)は腎排泄を受けるため、腎機能低下時には用量調整が必要です。eGFRが40 mL/minの場合、多くのDOACでは減量の対象となります。ワルファリンへの切り替えや抗凝固療法の中止は、明確な禁忌やリスクがない限り推奨されません。
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問題 8: 抗がん剤の支持療法

50歳女性、乳がんの治療のためシクロホスファミドを含む化学療法を受けています。予防的に処方されるべき支持療法薬はどれですか?
1.制酸薬
2.制吐薬(5-HT3受容体拮抗薬)
3.ビタミンD補充薬
4.プロトンポンプ阻害薬(PPI)

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正解: 2. 制吐薬(5-HT3受容体拮抗薬)
解説:
シクロホスファミドは高度な嘔吐誘発性を有する化学療法薬であるため、5-HT3受容体拮抗薬(例:オンダンセトロン)が嘔吐予防のために使用されます。PPIや制酸薬は胃酸関連症状に対して用いられることがありますが、抗がん剤治療における第一選択の支持療法薬ではありません。
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問題 9: 抗てんかん薬の血中濃度モニタリング

45歳男性、てんかん発作の治療のためフェニトインを服用中。最近、発作が増加しているとのことです。この場合、次に実施すべき検査はどれですか?
1.血糖値測定
2.血中フェニトイン濃度の測定
3.腎機能検査
4.血中ナトリウム濃度の測定

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正解: 2. 血中フェニトイン濃度の測定
解説:
フェニトインは治療域の狭い薬剤であり、血中濃度が治療域を下回ると発作のコントロールが不十分になります。また、過剰になると毒性を示すため、血中濃度のモニタリングが重要です。他の検査も必要になる場合がありますが、まず血中濃度の確認が最優先です。
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問題 10: 副作用の緊急対応

70歳女性、アスピリンを服用中。黒色便が出たため病院を受診しました。この場合の対応として適切なものはどれですか?
1.アスピリンを継続し、経過観察
2.プロトンポンプ阻害薬を追加処方し、治療を継続
3.アスピリンを中止し、消化管出血の検査を行う
4.アスピリンを中止し、NSAIDsに切り替える

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正解: 3. アスピリンを中止し、消化管出血の検査を行う
解説:
黒色便は消化管出血の徴候であり、アスピリンの継続は出血の悪化につながる可能性があります。アスピリンを中止し、上部消化管内視鏡などを用いて出血部位を特定する必要があります。その後の治療方針は診断結果に応じて決定します。