角膜保護薬:ジクアホソル(商品名:ジクアス)

角膜保護薬:ジクアホソル(商品名:ジクアス)

 

目が乾いてしまう疾患として、ドライアイが知られています。ドライアイを発症すると、目が傷つきやすくなります。また、目が傷害されたときの治りも遅くなります。

 

 

そこで、ドライアイを治療するために使用される薬としてジクアホソル(商品名:ジクアス)があります。ジクアホソルはP2Y2受容体作動薬と呼ばれる種類の薬になります。

 

ジクアホソル(商品名:ジクアス)の作用機序
目は常に潤っています。ただ、このときの水分は蒸発していきますし、水分は目からも排泄されます。そのため、涙として水分を供給しなければいけません。しかし、このときの供給量が少なかったり、素早く水分が蒸発してしまったりする場合はドライアイに陥ります。

 

 

特に、涙にはムチンが含まれています。ムチンとは、粘性のあるネバネバした物質だと考えてください。その粘性により、ムチンが含まれていると水分が保持されます。つまり、水分が蒸発しにくくなります。

 

 

できるだけ水分が保たれて潤いが続くようにするため、ムチンを含む涙が分泌されれば、ドライアイの症状を軽減できます。そこで、薬を使用します。

 

 

目に存在する結膜からは、水分とムチンが分泌されます。これは、「水分やムチンの分泌に関わるスイッチ」が存在するためです。このスイッチを専門用語でP2Y2受容体といいます。そこで、P2Y2受容体を刺激すれば、水分とムチンの両方が分泌されてドライアイを治療できることが分かります。

 

このような考えにより、結膜に作用することで目の潤いを保ち、ドライアイを治す薬がジクアホソル(商品名:ジクアス)です。

 

ジクアホソル(商品名:ジクアス)の特徴
P2Y2受容体を刺激することでドライアイを治療する薬として、ジクアホソル(商品名:ジクアス)は世界初の医薬品です。点眼薬として利用することで、目の乾燥状態を防ぎます。ドライアイを対象とした、長期の試験でもジクアホソルは効果が持続することが分かっています。

 

 

涙といっても、その量が多くすればドライアイを解消できるとは限りません。ドライアイは、涙の質が低下してしまうことによって生じることもあるのです。

 

 

涙は「ムチン層」「水層」「油層」という具合に分かれています。ムチンによって水分を保持し、油層がその外側を覆うことで水分の蒸発を防ぐのです。このバランスが崩れると、水分がすぐに蒸発してドライアイを引き起こします。

 

 

そこでジクアホソル(商品名:ジクアス)を使用すると、涙の質まで改善させることができます。ムチンの量を増やすことで、涙に含まれる成分のバランスを正すのです。これにより、ドライアイの症状を抑えます。

 

 

このような特徴により、涙の量と質の両方に働きかけることでドライアイを治療する薬がジクアホソル(商品名:ジクアス)です。