ベンゾジアゼピン系薬:アルプラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)
ベンゾジアゼピン系薬:アルプラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)
心身症は胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、自律神経失調症などによって起こります。これらの心身症では、過度の緊張状態や不安などの症状が表れ、これが原因で体にも異常が起こるようになります。
そこで、これら精神的な不安状態を取り除くために使用される薬としてアルプラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)があります。アルプラゾラムはベンゾジアゼピン系薬(BZ薬)と呼ばれる種類の薬になります。
アルプラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)の作用機序
極度の不安を感じることにより、日常生活に支障をきたすようになることがあります。例えば、突然強い恐怖に陥り、めまいや動機、呼吸困難などの症状を起こすことがあります。これを、パニック障害といいます。人前で話すときにパニックに陥ることもあります。
また、虐待やいじめなど、極度のストレスを味わうことで心理的な外傷を受けることがあります。これを、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といいます。
他にも不安症状は問題となり、抗がん剤の治療によって不安を感じることがあります。古くから使用されている抗がん剤の有名な副作用に「悪心・嘔吐」があります。嘔吐は精神的にきつい副作用であるため、抗がん剤を見るだけで大きな不安を感じてしまう方はいます。これが、日々の生活に大きく影響してしまいます。
そこで、薬によって不安を取り除くのです。これらの不安はどこで感じるかというと、脳で判断します。そこで、脳の機能を抑えることで不安を感じなくさせるようにします。
私たちは夜になると眠くなります。これは、夜に「脳の機能を抑える物質」が放出されるからです。脳機能が抑えらると、眠くなります。これと同じ作用により、脳機能を鎮静化させることで不安を感じなくさせることができます。
このような脳の抑制に関わるスイッチ(受容体)として、ベンゾジアゼピン受容体が知られています。ベンゾジアゼピン受容体が刺激されると、脳の電気信号をマイナスに傾けることで脳の活動を抑えるCl−(クロロイオン)が放出されます。
そこで、薬によってベンゾジアゼピン受容体を活性化すれば、脳機能を抑えて不安を感じなくさせられることが分かります。
このような考えにより、脳の鎮静化に関わるスイッチを起動させることで不安症状を軽減する薬がアルプラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)です。
アルプラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)の特徴
不安障害の治療薬として、アルプラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)は有効です。ベンゾジアゼピン系薬は睡眠薬として主に利用されますが、アルプラゾラムの場合は抗不安作用を期待して投与されます。
この薬には、筋弛緩作用もあります。つまり、筋肉のコリをほぐすのです。そのため、肩こりや腰痛などを治療するため、整形領域で使用されることもあります。また、極度の緊張状態が続くことで頭痛を生じることがあります。この場合にも、アルプラゾラムを活用することがあります。
アルプラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)の半減期(体内にある薬の濃度が半分になるまでの時間)は約14時間です。作用時間が長く、投与後素早く効果を示すことが特徴です。
なお、ベンゾジアゼピン系薬を急にやめると、離脱症状などによってさらに症状を悪化させてしまう恐れがあります。そこで、薬をやめるときは少しずつ薬の量を少なくしていくなどの工夫が必要です。
このような特徴により、さまざまな不安症状に対して使用され、筋肉のコリをほぐすことを期待して投与されることもある薬がアルプラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)です。