速効型インスリン分泌促進薬(概要)

(速効型インスリン分泌促進薬とは)

速効型インスリン分泌促進薬とは、その名称の通り、インスリンの分泌を促進する薬で、その作用の仕方は、スルホニル尿素薬(SU剤)と同じで、すい臓のβ細胞内にあるSU受容体に薬が結合することで、インスリンの分泌を促す薬である。インスリン分泌促進作用は、SU剤より弱めである。
また、速効型インスリン分泌促進薬は、効果の発現時間と持続時間がSU剤とは異なっている。SU剤は、持続的にインスリンの分泌を促すのに対して、速攻型インスリン分泌促進薬は、服用後、効果の発現がとても早く、効果に持続性がないのが特長である。主な薬剤→ナテグリニド(商品名:スターシス、ファスティック)、ミチグリニド(商品名:グルファスト)、レパグリニド(商品名:シュアポスト)など。

 

(SU薬との比較)

SU剤は、持続的にインスリンの分泌を促すため、インスリンの基礎分泌を促進して、1日の血糖値のベースを下げるため、空腹時の血糖値も高い場合に用いられます。
一方、速効型インスリン分泌促進薬は、効果発現が早く、効果は持続しないため、インスリンの追加分泌を促進し、食後に高血糖になるタイプに効果的です。
速効型インスリン分泌促進薬は、服用タイミングに注意が必要で、食事開始直前に服用します。具体的には、ナテグリニドとレパグリニドは食直前10分以内、ミチグリニドは、食直前5分以内に服用するように指示があります。
これは、効果発現が早く、食事の30分前の服用では、食事までの間に低血糖症状を起こすことがあるためです。

 

まとめ
速効型インスリン分泌促進薬は、インスリンの追加分泌を促進して、食後の高血糖を抑える効果があります。効果の発現が早いため、低血糖を起こさないように服用は食直前に行う必要があります。また、他の薬剤と併用している場合は、低血糖を起こすリスクがあがりますので、注意が必要です。