アカルボース(グルコバイ)について

(アカルボース概要)

アカルボースは放線菌Actinoplanes sp. SE 50の培養液から精製した擬似オリゴ糖で、α-グルコシダーゼの強力な阻害剤である。グルコースが4本直鎖状につながった四糖に類似した構造を持つ化合物で、消化管からの糖の吸収を抑制する効果がある。(糖尿病患者に使用され、デンプンや二糖類の消化を阻害する少糖の複合体として存在する)。

 

(ボグリボースとの比較について)

α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)は、糖の吸収を遅らせる薬です。通常であれば、糖はどんどん吸収されますが、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)を服用すると、糖はゆっくり吸収されるようになります。ただ、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)を使っても、糖はすべて腸から吸収される。ですから、一見、意味がないように思われるかもしれません。
しかし、そうではありません。大切なのは「糖毒性を抑制しコントロールすること」です。

 

 

 

糖毒性は、血糖値が高いほど現れやすいと言われています。そのため、糖が急激に吸収されると、その分血糖値が上昇します。その結果、糖毒性が顕在化するのです。

 

 

 

そこで、α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI)が投与される。糖の吸収が緩やかになると、血糖値の上昇も緩やかなカーブを描くようになる。その結果、血糖値の急激な上昇が抑えられ、糖毒性が防がれるのです。

 

 

 

このように、アカルボースは、血糖値の急激な上昇を抑えて、糖毒性を予防する薬なのです。

 

 

 

なお、α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI)には、他にボグリボースなどがあります。

 

 

 

アカルボースは、ボグリボースよりも血糖値を下げる作用が比較的強いとされています。しかし、腹部膨満感やおならなどの副作用は、アカルボースの方が出やすいとも言われています。

 

 

 

また、アカルボースは「食事による血糖値を下げる」という作用機序のため、食直前(食前10分以内)に服用する薬です。食後に飲んでも意味がない薬ですし、前述したように食直前という特殊な飲み方なので、飲み忘れが多い薬でもあります。