呼吸器系は気管支、肺、気道(鼻腔、咽頭、喉頭、気管)から成り立ち呼吸に関与している。肺は胸膜により覆われる左右非対称の臓器であり左肺が2葉、右肺が3葉にわかれている。肺の内部構造をみると気管支が分岐しており先に薄い壁を持つ機能的最少単位である肺胞を作っている。気道に関しては鼻腔、副鼻腔、咽頭からなる上気道と喉頭、気管、気管支からなる下気道で構成される。気道の粘膜上皮には線毛が存在し異物の除去や感染...
呼吸器系記事一覧
肺胸の中に左右非対称に存在する肺は肺胞と毛細血管から構成される。(*肺には筋肉がない)また肺胞を覆う細胞にはT型肺胞上皮細胞とU型肺胞上皮細胞が存在する。それぞれT型肺胞上皮細胞は肺胞内側の約9割を占めるガス交換に関与する扁平の細胞である。U型肺胞上皮細胞は肺胞の表面張力を低下させ肺胞の拡張と収縮を速やかに行わせるのに重要な肺サーファクタントを分泌する分泌細胞である。気管・気管支気管は喉頭の下方に...
肺の拡張・収縮による肺への空気の出し入れを換気と呼び、呼気と吸気の2相の繰り返しからなり、これを呼吸という。(換気を繰り返し起こす運動)肺胞自体には筋肉がないためそれ自身では伸び縮みができないが、胸腔を形成する呼吸筋(横隔膜や肋間筋)の収縮と弛緩による胸腔容積の縮小と拡張が胸腔内圧の変化を生じ、これが呼吸運動をうみだす。呼吸は無意識下で行われるが、呼吸筋は運動神経支配の骨格筋であり深呼吸ができるよ...
延髄には呼吸中枢(吸息中枢と呼息中枢)がある。外肋間筋を収縮させ吸息運動を行うための命令を発するのが吸息中枢で内肋間筋を収縮させて呼息運動を行うための命令を発するのが呼息中枢である。呼吸器系の中で自動的に周期的な興奮を発しているのは延髄にある呼吸中枢である。つまりは呼吸運動においてその自動性と周期性を制御しているのは吸息中枢と呼息中枢である。吸息中枢と呼息中枢はそれぞれ拮抗的に作用し吸息中枢が興奮...