肺・気管・気管支の基本構造について
肺
胸の中に左右非対称に存在する肺は肺胞と毛細血管から構成される。(*肺には筋肉がない)また肺胞を覆う細胞にはT型肺胞上皮細胞とU型肺胞上皮細胞が存在する。それぞれT型肺胞上皮細胞は肺胞内側の約9割を占めるガス交換に関与する扁平の細胞である。U型肺胞上皮細胞は肺胞の表面張力を低下させ肺胞の拡張と収縮を速やかに行わせるのに重要な肺サーファクタントを分泌する分泌細胞である。
気管・気管支
気管は喉頭の下方に続く長さ約10cm、太さ1.5cmほどの管状の管で、枝分かれして主気管支となりさらに枝分かれして終末細気管支を形成している。この気管は結合組織とU形の気管軟骨とその空間を埋める平滑筋から構成され、平滑筋の収縮により気道径を変動している。気管及び気管支の内面は粘膜で覆われており、ここに杯細胞(杯状細胞)や線毛細胞が存在している。杯細胞は粘液を産生し、線毛細胞はこの産生された粘液を異物とともに咽頭へむけ運びさる。
主気管支(右主気管支、左主気管支)においては右は3つ、左は2つに分岐している。右主気管支は左主気管支に比べ鉛直(垂直)に近く内径が大きく長さは短い。右主気管支は縦に近い状態で走行しているため外から侵入した異物は右主気管支に侵入しやすい。
気管支は気管平滑筋に覆われており、自律神経の支配を受けている。その詳細については、副交感神経の興奮で収縮し、交感神経の興奮で弛緩する。