パーキンソン病・ハンチントン病とは?

パーキンソン病

 

私たちが生活をするうえで、通常スムーズな動作、運動が実行できるのは大脳皮質から線条体を介し淡蒼球へと伝える興奮性の運動調節及び中脳の黒質から線条体を介し淡蒼球へと伝える抑制性の運動調節がうまく調和しバランスをとっているおかげである。黒質から投射を受ける線条体の所在は随意運動の制御に関与する大脳基底核である。また、この黒質から線条体に投射する神経はドパミン作動性神経である。

 

パーキンソン病の病態は大脳基底核、特に黒質・線条体におけるドパミン神経の変性と脱落である。これにより言えることはドパミン産生が低下し、大脳基底核が関わる運動の制御が障害され、過度な運動抑制が生じるというものである。

 

このパーキンソン病の病因は、大部分の症例で不明であり根治治療はいまだ見つかっておらず対症療法が中心となる。ただ重金属中毒、一酸化炭素中毒等が発症に関与することもある。

 

ハンチントン病

 

現在、特定疾患治療研究対象疾患となっている。この疾患は遺伝疾患で徐々に発症し進行する。精神症状を主徴としており、その症状は舞踏運動、幻覚・妄想、認知症といったものである。ハンチントン病はパーキンソン病と同様に根治治療は見つかっておらず、対症療法が中心となる。

 

ただ、パーキンソン病とは対照的に、線条体の変性・脱落すると、淡蒼球への興奮性の運動調節が制御できなくなり過剰な運動が生じる。